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いっそ、俺が恋人だと言えたら。いや、でもそんなことしたら柊くんが困る。

世間は同性愛者にまだ理解が少ないし、モデルのヒイラギのイメージダウンだけは避けなくては。

「………ごめんね、紹介できないや」

そんな風にぐるぐる考えた後、俺の口から出たのは情けない言葉だった。

「えー?なんでー?」
「……柊くん、付き合ってる子がいて、すごくヤキモチ妬きだから、有香ちゃんと仲良くしてるのバレたらヤキモチ妬いちゃって、柊くん困ると思う」
「あー、そしたら仲のいい飛鳥にもとばっちりくるな、それ」
「えー……じゃぁ、仕方ないか」
「ごめんね」

俺が重ねて謝ると『こっちこそ無理言ってごめん』と有香ちゃんは笑ってくれた。

本当にごめんね。

───俺、柊くんは譲れないよ。

「───ごめん、遅くなった」
「っ、柊くんっ」

そんな会話をした後。すぐ柊くんがやってきて俺は焦る。

「じゃあまたね、飛鳥くん」
「うんっ」
「またなー」



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