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「――――あ」

その時、不意に電光掲示板から音楽が流れた。

「スカイブルーだ」
「知ってるの!?」

俺は思わず聡に詰め寄った。すると、聡は戸惑いながらも頷く。

スカイブルーとは、ロック系インディーズバンドで、今電光掲示板に流れたのはメジャーデビューの速報だ。

ヘビメタまで行かないけれど、派手なパフォーマンスが特徴で、俺は彼らがストリートミュージシャンをしているころからファンで、CDだって買ってコンサートにも行っていた。

しかし、悲しいかな理解者は今までおらず。三谷に至っては『理解できない』とバッサリ言われたほどだ。

だから、聡が知っていたことに驚いた。

「え!じゃあCDとか持ってたりするの!?」
「うん、あの中だと『イノセント』が一番好きかな」
「マジでかー!!」

あの中でイノセントをチョイスするとは!!

「え、じゃあ『フォール』とかも好き!?」
「あのギターすっごくいいと思う。歌詞も共感できるし」
「うわー!同志―!!」

嬉しくて、俺は思わず叫んでいた。この場でハグをしなかった自分を褒めたいくらいである。

「じゃあさ、今度俺の家に来なよ!限定で出したライブDVDとかもあるから一緒に見よう!」
「え!本当?楽しみ!」

嬉しそうに言われ、俺は大きく頷いた。

こんなところに理解者がいたことに、俺は興奮を隠せない。

そうして、駅前につくまで二人でひたすらスカイブルーについて語り合い、気がつけばだいぶ打ち解けていたのだった……。





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