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「湊、目、閉じてってば」
「……何で」
「―――僕は、女の子の代わりでもいいんだ」
聡はそのまま、俺の分身を口に含んだ。視覚と、ダイレクトに来る刺激に、俺の愚息はすぐに達してしまいそうになる。
だけど、心はそうはいかなかった。
今、聡はなんていった?
―――女の子の、代わり?
俺が、オマエを女の子の代わりにすると思っていたのか。
確かな好意を感じて、恋愛感情かは分からなくても、確かに好きだと感じていたのに。
女の子の代用品、その程度にしか思われていない―――そう考えていたのか。
快感が勝ってきて、うまく思考はまとまらない。
でも、表面上は熱をもっていても、身体の奥底は冷えていくような感覚だった。
気持ちのすれ違いが露呈して、俺はたまらなくなる。
二人でいるのは楽しいとか、いろんな話ができてうれしいとか。
そんな、いい関係だと思っていたのは俺だけだったのか。
裏切り、というわけでなくとも、それに似たやるせなさに支配される。
ふと聡を見れば、聡も俺を慰めながら涙を流していた。
俺のものを咥えていて苦しいのかもしれない。それとも―――同じく、切ないのかもしれない。
「くっ」
不謹慎だと思いつつも、その泣き顔にイってしまった。
聡はそれをすべて舐め取ると、綺麗にしてからゆっくりベルトを戻す。
こんなにやるせないとは思わなかった。
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