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「あぁ、面白かったな?」
「クライマックス覚えてないくせに」
「………」

上の空だったことを指摘され、俺は正直に『ごめん』と謝った。すると、聡はくしゃっと笑ってリモコンを操作する。

「別に謝らなくてもいいのに。一週間レンタルだし、湊の家に置いとくからヒマな時にちゃんと見ときなよ」
「うん、ありがとう」
「でも、本当に大丈夫?熱があるなら帰ろうか?」

リモコンを操作して、テレビを切った聡が、俺の額に手を当てながら心配そうに見上げてくる。

必然的に近くなった距離に、俺は何かが焼き切れそうになった。

「……湊?」

何も言わなくなった俺に、聡は不思議そうに首をかしげる。

その、俺の名前を呼んだ唇に、キスしたい。

それはもう衝動だった。さっきまでの自分の葛藤が嘘のように、聡にキスしたいと思ってしまった。

「んっ」

聡の腕を引いて、俺の膝の上に乗せると唇を重ねる。綺麗だと思っていた形の良い唇はとてもやわらかくて、俺は夢中で口づけた。

「やぁ…みな、んっ」
「聡……」

驚いたようにもがいていた聡を抱きしめると、髪の毛を撫でて、全身を撫でる。身体のラインが思った以上に細くてびっくりしたけど、触れるたび興奮して止まらなかった。

聡も、観念したのか俺の背中に腕を回すと、一生懸命俺のキスに応えようとしてくれている。そのしぐさがいじらしくて、俺は呼吸も忘れて聡の唇を貪った。





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テーマ「人外ファンタジー」
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