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学食でお昼を食べようとしているときにぼーっとしてしまい、心配そうに伊吹が覗きこんでくる。
今日は昼休みの前に体育があって、着替えとかで遅れてしまった。伊吹は授業が早く終わってしまったらしく先に食べたらしいんだけど、事情を話したら付き合ってくれるようになったのだ。
「大丈夫か?体育きつかったのか?」
「あー……そうかも。俺バスケ苦手なんだよね」
「ふーん」
伊吹は何でもない風に言うと、俺がメニューを見て悩んでいるのを眺めている。そんな伊吹と目があって、俺はふっと笑った。
「何?追加で何か食べたくなった?」
「うーん食べようと思えば食べれるんだけど…一人前もいらないんだよなぁ」
「じゃあ、俺大もり頼むから、少しとりなよ。確か、オムライス好きだったよね」
「え、あ、」
「ついでに小皿とスプーンもお願いしとくね」
俺は通い慣れたせいで使い方をマスターしてしまったタッチパネルで注文すると、伊吹とたわいない話をしながらメニューを待った。
程なしくて大もりオムライスが出てきたので、俺はそれを伊吹とわけながら食べる。
「何?やっぱりお腹すいてなかった?」
「あー……そうかも」
「そっか。じゃあ俺が頑張るな!」
小皿に取り分けた伊吹の分のオムライスが減っていなかったのでそういうと、伊吹の分まで頑張ろうとオムライスを食べ続ける。
体育をしたおかげでお腹がすいていたので、今ならイケる気がする。
そんなことを考えながら食事を続けていると、急に食堂が騒がしくなった。
もう慣れっこな反応なので、誰が来たかもすぐにわかる。
「生徒会だね」
「げっ、もうあいつら仕事終わらせたのかよ」
伊吹が嫌そうに顔をしかめながら入り口付近を見ているので、俺も振り返ってそこを見る。
そこには生徒会の面々がいて、中には瑞穂もいた。
生徒会の面々は俺たちを見つけると、速攻でこちらに寄ってくる。生徒会長がニヤニヤしながら伊吹の前に立ったので、俺は空気になることに徹した。
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