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―――そうして、週末はやってきた。

週末まで撮影はなかったから、みんなに会うのはあの日以来である。髪型を変えたナオ君は相変わらず新鮮で、外の明かりで見るとだいぶ茶色が明るくなっているようだった。

さすがに二人も、ナオ君の変化には驚いたようである。

「すげー、染めたの?」
「いいえ、スプレーです」
「でもいい色。もしかして春奈さんから聞いた店?」
「はい」
「俺もあそこいってるんだよな」

ナオ君の髪型に慶太が食い付き、柊君がスタイリストさんの話とか、美容師さんの話とかをナオ君にしている。

最後に見たときよりも元気そうな様子に安心しながら、俺は口を開いた。

「じゃ、そろそろ行きますよ」
「はい」
「しっかし、ジンさんも気前がいいな」
「自慢の先輩ですから」

クスクスとからかうように話すと、柊君が小さく噴き出した。そんな表情は新鮮で、俺も思わず笑ってしまう。

そういえば、まともに顔を見て話すのは久々な気がする。あの泊った時以来だ、と思うと妙に恥ずかしくなってしまった。

「何?」
「ううん、何でもない。…二人、楽しそうで安心しただけ」

俺たちが話している間に、ナオ君たちは一歩先を歩いて楽しそうに会話している。二人の好意が溢れている空間は、特別の証だと感じた。

「あの二人、うまくいくといいね」
「そういうことイイコちゃん的なことを平気で言えちゃうから、オマエ嫌い」
「もう、慶太とは何ともないし、ちゃんと吹っ切れたんだって」

嫌そうに顔をしかめる柊君に、俺は少し声を小さくして言う。

「……柊君のおかげだよ」
「勝手に感謝されても困るんだが」
「もう、可愛くない」





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