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―――そんな風に食事を終え。

ジンさんとアヤトさんはこのままバーに行くという話だったので、俺はおいとますることにした。

「だからって、無理して帰らなくてよかったのに」
「年上と一緒に楽しく飲めるかよ。酒やら注いでやらないといけないで面倒くさい」

ふてくされたようにそっぽを向きながら隣を歩く柊君を見て、俺は小さく笑ってしまった。

「意外。柊君お酒好きだと思ってた」
「嫌いだとは言ってないだろ」
「ふふ、そうだね」

俺は繁華街をすり抜けて住宅街に向かいながら、柊君の子供っぽい姿にずっと笑っていた。

4人で遊びに行くとか、不安で仕方ないけれど。

柊君との誤解が解けて、本当によかったと思う。こんなふうに、一緒に隣に並んで歩けることが、とても幸せに感じる。

「―――じゃ、またね」

そうして、交差点のあたりで別れようとしたとき、柊君が俺の腕をグッとひいた。

「え、ちょ」
「ついてこい」

そう言うがはやいか、柊君はそのままどこかに向かって歩き出してしまい、俺は引きずられるようにしてついていくのがやっとである。

「どこ行くの?」
「俺の家」

柊君はそう短く宣言すると、人が不思議そうに見ているのもかまわずズンズン歩いていってしまう。夜の街に人気はあまり多くなかったが、見る人の好奇な視線が痛い。

結局、柊君の家についたのはそれから十分してからだった。

綺麗なマンションの3階で、俺は部屋に入ると同時に解放される。

「ジャケットは脱いで、適当にかけとけ。トイレは出て右。飲み物は水でいいだろ?」
「……うん」

リビングで、柊君の勢いに圧倒されるまま俺は言われたことに頷く。

大人しくジャケットを脱いで水を受け取ると、ソファーに案内された。

「今日DVD借りてるんだろ?一緒に見ようぜ」
「――――あ」

そう言われて、俺は鞄の中に放置していたDVDを思い出した。





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