15
「……いいか?」
後ろに柊君の熱を感じ、俺は熱に浮かされたように頷く。柊君に小さくキスを送ると、ゆっくりとした挿入が始まった。
「―――――あっ!」
「息吐け…っ、そう」
「はぁっ、ふぁ……っ」
ものすごい圧迫感に、俺は残り少ない酸素を求めるように何度も深く息を吸う。そのたび後ろで柊君の存在を感じて、俺はまた泣きそうになった。
いや、もう泣いてしまっていた。
柊君が、何度も俺の頬を撫でるから。
「…全部入った。大丈夫か?」
「うん、嬉し……っ」
涙を柊君にぬぐわれながら、俺は心からの笑みを浮かべた。
圧迫感も、充足感も。
柊君の存在をこんなに近くで感じられて、嬉しくてしょうがない。
そんな気持ちを込めて、柊君に縋りつく。柊君は『動くぞ』と短く宣言してから、ゆっくりとした抽挿を始めた。
「……んっ、ふぁ、ぁ……っ」
「飛鳥、飛鳥…っ」
最初は後ろへの圧迫感が大きかった。でも、柊君とセックスしているという精神的な快感が大きくて、すぐに声に甘いものが混じり始める。
「あっ!やっ、そこダメ!」
そうして、柊君が先ほど見つけた前立腺をつき始めると、もうダメだった。頭が真っ白になって、もう何も考えられなくなってしまう。
「や…いくっ!」
そうして、つま先をぐうっと丸めて精を吐きだしたとき、柊君も中で達した事を感じて、また泣きそうになった。
「飛鳥……」
「うん」
柊君はまだ中に入れたまま、俺にキスをくれる。それにこたえながら、快感の余韻を楽しんでいると、柊君が意地悪く笑った。
「ハジメテの感想は?」
「……次は、ベッドがいい」
素直な気持ちを、若干ふてくされたように言うと、柊君は喉の奥でクッと笑った。
「次と言わず、何回でも抱いてやるよ」
そう言って、そのまま抱きしめられて、俺は満ち足りた気持ちで目を閉じた……。
―――不安になったら、何度でも抱きしめて。
それだけで、俺は何度でも、君を愛せるのだから。
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