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―――そうして、俺は柊君の家を出ると、真っすぐに慶太の家に向かった。

以前ナオ君と慶太を見送った際に場所を教えてもらったので、場所にはすんなりつくことができた。

部屋の前で深く深呼吸をすると、俺はドアのインターフォンを鳴らす。

「先輩……」
「慶太…よかった、出てくれて……」

慶太は、相変わらず不安そうにしながらも呼び出しに応じてくれた。俺はホッと息をついて微笑むも、慶太は俺の顔から目をそらした。

自己嫌悪に陥っているのだと分かっていても、俺は苦笑するしかなかった。

「―――慶太、気にしないでいいってば」
「でも…そんな痛々しくなって、痛くないわけないじゃないですか」
「痛いよ。だけど、慶太が気にする方が気になって痛いなんて言ってられないよ」

いたずらっぽく肩をすくめながら笑うと、慶太も小さく苦笑した。

しばらくは気まずいのかもしれないが、やっぱり今日顔を見に来てよかったと思う。

そのまま玄関の先で少し見つめあっていたが、不意に慶太が俺の頬に触れてきながら感心したように呟いた。

「……飛鳥先輩、本当に綺麗になりましたね」
「整形したからね」
「そうじゃなくて、なんだか吹っ切れたような、すっきりした顔してますよ」
「そうかも」
「―――俺の方が、いい男なのに」

慶太に少しふてくされたように言われ、俺は目を丸くした。そんなに顔に素直に出ていたのだろうか、と慶太が触れていない方の頬に触れてみる。

「…うん、慶太の方がいい男かもね。だけど、俺、柊君と一緒にいたいんだ」
「そう思うなら、ちょっとは感情こめて言って下さいよ」
「ふふ…かも、って言っただけだから」
「小悪魔ですね」

拗ねた口調の慶太に、俺も小さく笑ってしまう。






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