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「俺の問題は、俺が解決しなきゃ。―――だけど、慶太のことも、頑張ろうって勇気をくれたのは柊君だよ」

俺はそういうと、柊君の背中にそっと手をまわした。片手に缶を持っていたのがすごく間抜けだったが、俺はそのまま続ける。

「柊君は、俺にとってとても大切な人だよ。柊君はどうかわからないけど、俺はそう思ってる」
「……もういい」

俺の言葉をどう取ったのかは分からないけれど、柊君はそう言って俺から身体を離した。体温が急になくなって肌寒さを感じる。

柊君がどう思ったかなんてわからない。

すごく不快に思ってしまったのかもしれないと思うと、さっきまでつないでいた手が恋しかった。

それからは何となく気まずくて、あまり話ができなかったように思う。

でも、俺は嘘を言っていない。

柊君はとても大切で、あこがれの人だ。

もし柊君が辛いなら、どこで何をしていても飛んでいきたいな、と思った。

それがどんなに迷惑だとしても、俺は柊君の支えになりたいと思ってしまう。

俺がそんなことを思うこと自体が厚かましくて不快にさせてしまったのかもしれないけれど、それでも。

だから。

―――柊君が辛く思う必要なんてないんだよ。

そう言葉を足せばよかった。





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