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自分でもびっくりするくらい、素直にそう言えた。

セリさんは驚いたように目を丸くして、俺を見ている。

「……さっきはぼかしてしまったんですけど、俺が嫉妬してたのはセリさんなんです。でも、セリさんの言葉を聞いて、俺はようやく分かったんです。―――過去に何があったのかは知りませんが、ちゃんと慶太と話してください」
「ナオくん…………」

セリさんは困惑しているようだった。

でも、前に進んでほしい。

高校時代、浅からぬ仲にあったはずなのに、わからなかった慶太。

セリさんが言わなくても、彼が傷ついたことぐらい分かる。

どうして気づかなかったのか、疑問は残るけど。

「――もう、後悔しないためにも、今うやむやにしちゃダメです。俺にとっても、セリさんは大事な友人だから」
「―――――っ」
「―――だから、もう泣かないでください」

今度は、セリさんの目からぽろぽろと涙が溢れ出した。

綺麗な人は泣き顔も綺麗なのだな、と感じながら、俺は静かに彼の涙を拭う。

「泣かないで。――セリさんは、俺の1番の友人です」
「………本当?」
「もちろん。もしヒイラギさんでもジンさんでも、泣かされたら俺に言ってくださいね。――絶対味方になりますから」
「ふふ………嬉しい」

―――この人を、ただただ尊く思った。

傷ついて、何度涙しても、汚れない心。

どんなに辛くても、他人を思いやれる優しさに、俺は癒された一人だ。

きっと、慶太もその一人。

「……俺、ちゃんと話してみる」
「はい」

俺が頷くと、セリさんは華やかな笑顔で笑った。

薄く微笑んだだけなのに、周りが一気に華やかになるのはすごいとおもう。





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