22
Side ナオ
―――1人で考えていると、とても怖い想像ばかりしてしまう。
布団の中、俺は世界に一人きりで。
自分で選んだ場所なのに、世界が自分を拒絶しているような被害妄想を繰り広げてしまう。
こんなことをしている間にも、慶太の心は離れて行っていて。
セリさんにも、俺の嫌なところがバレてしまって。
二人がいなくなってしまったらどうしよう。
俺に愛想を尽かしてしまったら。
「………助けて」
震える手で、俺はメールを打った。
一人きりでいることが怖かった。誰かの空気を感じて、安心したかった。
後になって自分のはた迷惑さに悶絶するほど恥ずかしくなっても、俺は構わなかった。
程なくして駆け付けてくれたセリさんの腕の中で、俺はようやく冷静になれた。
セリさんは、あったかい。
布団ごしに感じる体温が、俺の心を穏やかにしてくれる。
「ふふ、多数決ですか?」
「そうそう」
冗談混じりの言葉に、疲れたようなものでも笑みを浮かべられて自分でも驚いた。
でもそれ以上に、俺の笑みを見たセリさんが嬉しそうに笑ってくれるから堪らなかった。
あぁ、そうか。
―――俺は、寂しいだけだったんだ。
[ 104/140 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]
TOP