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―――僕は、ヤナギさんのところでお世話になることになった。

親の死や、借金など。僕の人生を苦しめて来た原因といってしまえばそうなのだろうが、それでも、どんなにつらい時も傍にいたのはヤナギさんだったと気付いたから。

厳しい言葉も、変な同情より真実で。

ヤナギさんの言葉の奥にある優しさに気付いた時、この人に一生ついていこうと、涙が頬を伝ったのを覚えている。

組ではなく、ヤナギさんが所有しているマンションに住むことになり、僕は幸せな日々を送っていた。

ヤナギさんがいつも帰ってくるわけではないけれど、帰って来た時は目一杯かまってくれる。

僕にはそれが心地よかった。

ネグレクト同然で育てられ、それでも、愛されたい一心で働いてきた僕。ヤナギさんはそんな僕のずるいところごと愛してくれるから、彼のことが愛しくてしょうがないのだ。

今日もまた、ヤナギさんの帰りを告げるチャイムが鳴る。そうして、また抱いてもらうのだ―――



「―――ん、ふぁっ」

―――薄暗いベッドルーム。僕はヤナギさんにフェラをしながら、後ろは玩具で広げられていた。

「んっ、ひもひいれすか……?」
「あぁ、続けろ」

頭を撫でながらぶっきらぼうに言われ、僕は嬉しくて夢中で吸い上げる。目の前にある菊の刺青を見ながらするフェラが好きだ。

僕はヤナギさんに奉仕しているのだ、と実感させてくれる。口の中にある、突起のあるヤナギさんの雄も、煙草のまじった意外と柔らかい匂いも。

僕を興奮させて、ダメにする。

「……口でイかせてみろ」

今の僕は、ヤナギさんの言うがままに動く人形だ。認めたくないけれど、僕にはマゾッ気があるようで、ヤナギさんにされる命令が心地いい。

いや、ヤナギさんだからかもしれない。

信頼しているから、どんなに酷い命令でもゆだねられる。ゆだねることの心地よさを知っているから。

この絶対的な信頼感は、きっとヤナギさんだけだ。





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