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明日、前期試験の結果が発表されるのである。大検も無事合格して、希望の学科の試験を受けたのはいいのだけれど。

「…せっかく冬慈さんからもお墨付きもらって、自分でも自信もって出来たのに。情けないです」
「いいさ。今日は寝れるまで一緒に起きていよう」

冬慈さんはそういうと、僕をベッドの中で抱きしめてくれた。

そのままベッドに横たわり、布団の中で優しく背中を撫でてくれる。

「寝れるまでこうしているから…でも、早く寝れるように布団の中な」
「冬慈さん……」
「せっかくの発表に遅刻したくないからセックスは無しだ。理性が残っているように誘惑はしないでくれ」
「もう」

茶化すようにいわれ、僕はくすくすと笑った。

そんな僕に、冬慈さんは額に口づけをくれる。

二人の体温で温まっていく空間は、ひどく心地が良かった。背中を撫でる手も、ゆっくり、僕を宥めるようなもので泣きたくなる。

高い手のひらの体温と、少しくすぐったいくらいがちょうどいい。僕の張りつめた緊張をほどいて、癒して、さざ波のように穏やかにしてくれる。

首筋、腕、頬。体中触れ合っているのに、こんなにも気持ちは穏やかで。

セックスの時も寄り添っているけど。僕はいつも翻弄されるばかりで。

色を全く出さないのは、冬慈さんの気遣いだ。本当に、優しすぎて愛しい人。

僕も、冬慈さんの背中に腕を回す。僕は、冬慈さんのたくましい背中も好きだけれど、僕を受け止めてくれる胸板がもっと好きだった。

身長差の関係で、僕は冬慈さんの鎖骨を見ながら寄り添う。骨ばった身体は僕より体温が高くて、じわじわと僕の冷えた身体を癒していく。

「だいぶ冷たいな。ずっと外にいたのか?」
「ほんの十分くらいです。月を見ていて」
「今日は満月だもんな」
「はい」





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