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「あっ、やぁ、」
しかし、俺は瀧本の言葉の意味をすぐに理解することになる。
瀧本は本当にねちっこかった。
頭の先から足の指の間までくまなく触れると、さらに舌で全身を愛撫する。
昔の傷、黒子、指先のアカギレ、それらのすべてに舌を這わせ、いやらしく吸い上げる。
それに合わせて俺自身を擦りあげられて、俺はすぐにグズグズに蕩けてしまった。
「ふぅん、や、そこっ」
「足の指、意外と好きだなお前」
「あっ、だっ、めぇぇ」
指先をちゅるちゅると吸い上げられ、雄をフェラをされているような錯覚に陥る。
ガクガクと震えて力が入らないのに、瀧本が俺を解放することはなく、もどかしさに腰を揺らすばかりだ。
「こら、暴れるな。傷に響く」
「でっ、でも、むりっ」
「しょうがねぇな…」
瀧本はそういったかと思うと、俺の膝を抱えあげて、その間に瀧本自身を挿入した。
いわゆる素股というやつで、瀧本自身に裏筋を擦られ、俺もはしたなく上りつめていく。
「あっ、あ―――っ!」
「くっ」
俺が限界を迎えたのと、瀧本が達したのは同時だった。
しばらく肩で息をしていたが、瀧本は俺の額にキスをして、こう言った。
「……好きって言えなくていい。自信が無くてもいい。だから、俺に黙って愛されとけ。そんで、死ぬまで愛されて、死に際に『愛してる』って返してくれたら、俺は満足だから」
その言葉を聞いて、ぶわっと涙が溢れた。
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