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「オンナってこえーよな。嫉妬でこんなことしちゃうんだから」
「むしろバカじゃね?金払ってまで他人いたぶりたいかね」
「――じゃあ、そのバカに群がるお前らは、ゲス野郎だな」

思わず、思っていたことが口から出てしまい、俺は内心しまった、と思った。

急に辺りにいた奴らの温度が冷めたのが分かる。

どうしようか、と思っていると、殴られて転がされていた俺を掴んで、教室から引きずり出した。

「ぐっ」

教室から出るとき、扉にしたたかに打ち付ける。

そのまま廊下を引きずられ、俺の通った後には血の跡が滲んでいた。

「あとで掃除しとけよ、優等生クン」
「やっぱ、勉強ばっかのやつは不愉快だな」
「徹底的に、ぶちのめしてやろうぜ」

そんな肝が冷えるような会話をしながら連れていかれたのは、特別教室だった。

そこには、数人の女子が残っていて、前に忠告に来ていた彼女もいた。


―――こうやって、負の連鎖は続いていくのか。


誰かを憎み、嫉妬して。

そうして、自分の傷を仲間と舐めあい、癒していくのか。

「――確かに連れてきたぜ。抵抗出来ねーように殴ってるし」
「終わったら返せよな。俺らまだ借りがあるんだ」
「分かった。終わったらメールするから」

まるで遊びの約束でも取り付けるような軽い会話が、頭の上で繰り返される。

抵抗するにはここしかない、と分かっていたのだが、血が出ている頭がどくどく言っていて、動くと辛い。

さらに不良の一人が俺を足蹴にしていて、振り切ったところで逃げきれないのは目に見えていた。


「――なんで呼ばれたか、分かるよね?」





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