6
すっかり気絶してしまった晴陽の処理を終えると、俺は隣に寝転んだ。
昔はよくこうして泊って。雷が怖くて手をつないだこともあった。
ヤツの口癖は『置いていかないで』で、俺は『しょうがねぇな』って笑って手を伸ばす。
今日、初めて自分のしてきたことを後悔した。
いつだって、変化は必然で。ヤツも『置いていかないで』を封印し、かわりに『頑張って追いつくから』と来たもんだ。
俺の髪が黒から金に変わったように、コイツにも変化が訪れていたのだろう。
今まで気付けなかった変化を、気づいてやれるようになりたい。
できれば、コイツの隣で。
そうして、ねじ曲がった関係を、もう一度正せるだろうか。
もしも、できたなら。
きっと、もっと優しくできる。
きっかけはきっと些細なことで。
ならば、努力さえすれば些細なことから正すことだってできるはずだ。
起きたら一番に、ちゃんと『おはよう』と言おう。
きっと、笑える。笑える自信がある。
むき出しの肌から伝わる体温に、俺は信じられないくらい穏やかな気持ちで目を閉じた……。
次に晴陽視点があります。
[ 6/68 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]
top