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※腹黒×根暗、公開自慰


―――僕には自信が無い。

成績はどんなに頑張っても並だし、運動にいたっては才能皆無と言っていい。文化部の幽霊部員をしながら教室の中で誰の視界にも入らないように息を殺すのがお似合いの生活だ。

そうじゃないと、誰かの視線が怖い。

いつも誰かが僕の悪口を言っていないか不安になる。親も、僕が寝静まったらため息をついているかもしれない。

僕の耳は、友達が言う悪口ばかり拾ってしまう。僕じゃない誰かかもしれないのに、すべての人が僕を笑っているようだった。

こんなこと、誰にも言えない。ただでさえ、根暗で友達がいない僕だから、ますます気味悪がられてしまう。

「ねえねえ、外間(そとま)クン。ごめん今日掃除変わってね」
「えっ」
「よろしく〜」

そんな僕だから、こういうことはしょっちゅうだ。放課後一緒に遊ぶ友人もいないし、面倒事を押し付けるにはとても都合がいい存在なのだろう。

女の子に強く出ることもできない。でも、サボる勇気も無い。結局、薄暗くなってきた放課後の教室で、僕は1人掃除を行っていた。

「はぁ…」

掃除当番など、あってないようなものだ。僕は1人なのをいいことに、ため息をつきながらだらだらと掃除を行っていた。

「あ、」
「お、外間じゃん」

そんな時、教室に灰音(はいね)くんがやってきた。灰音くんは野球部のエースで、背も高いし話も面白いからいつもクラスの中心にいるような人物だ。短くカットされた髪も相まって、マンガから飛び出して来た、さわやかヒーローのような人。

「何?1人で掃除してんの?」
「う、うん。灰音くんは?」
「俺は見てのとーり」

灰音くんは野球部のユニフォームを着ていて、大きなバッグを肩に担いでいた。部活帰りらしいが、1人でいるのが珍しくて首をかしげる。

「机の引き出しの中に英語のノート忘れた。明日小テストあるだろ?」
「あ、そうだね…」
「外間は?こんな時間まで掃除とか遅くね?」
「さ、最初先生に呼ばれて、資料室でお手伝いしてたんだ」
「ふーん」

忙しそうだねー、といいながら、灰音くんは自分の引き出しから英語のノートを取り出している。

「でも、他に掃除のヤツいるだろ?」
「こ、断れなくて…」





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