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平凡×可愛い、エロ無
コメディ風
「―――委員長!今日も可愛いね」
「ふふ、ありがとう」
にっこり笑えばあたりに花が飛ぶ、そんな愛らしい笑顔で僕はクラスメイトに笑って答える。それを見たクラスメイトは、鼻を押さえながらそのまま自分の机に戻って行ってしまった。
「先生、それ僕が持っていきますね」
同じような笑顔で先生に資料を持っていくと伝えると、先生は顔を真っ赤にしながら『あ、あぁ、頼むな』と資料を渡して来た。
「委員長!いいから!俺もっていくよ!」
「いいって!俺が!」
「俺も行く!」
一連の流れを見ていたクラスメイト達が一気に手をあげながらそう言ってきた。
「本当?それじゃあ、お願いしてもいいかな?」
出来るだけ、しおらしく。でも感謝の気持ちは忘れずに。
そんな僕の様子に、クラスメイトはあまり多くなかった資料をみんなで分担してみんなで持っていくことにしたらしい。
――――ふっ、チョロイな。
内心それを見ながら呟く。みんな、僕に褒められたくてしょうがないのだろう。
それもそうだ。僕は誰からも認められるかわいらしさと、それをひけらかさない謙虚さ、そして、三歩下がったところからみんなを見守る器量を兼ね備えた、まさに大和撫子なのだから。
自分で言うのもあれじゃない?というツッコミはやめて欲しい。
だって、僕にはこの学園で生き残っていく術はこれしかないんだから。
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