3
「おら、歯食いしばるな。啼け」
「ひっ、ふぅうぁ…あ、あぁっ!」
面白いくらい反応を示す晴陽の胸の尖りを舐めて遊ぶ。時折指で引っ掻いたり、きつく吸ってやると、カフェオレ色だったそこは赤く染まってゆく。
胸をいじりながら、首筋に、二の腕に、歯を立ててやる。
普通なら痛いはずのそれは快感にしかなっていないようで、もじもじと腰をふる晴陽の中心がどうなっているのかは触らなくても明らかだ。
歪んだ感情に支配され、すっかり形を変えた晴陽自身を握る。
「っ、はぁっ!」
「もうビショビショじゃねえか。変態」
「あぁぁ…っ」
少し強めに扱いてやると、面白いくらい晴陽の体が跳ねる。
ビクビク揺れる身体に絶頂が近いことを知る。むしろ、媚薬付きでここまでよく耐えている方だ。
「ち…千秋ィ」
「なんだ」
「き……気持ちい、から、もっとしてぇ」
限界を訴える晴陽の中心。痛みを与えるほどの愛撫など、感じすぎる快楽と相まって苦痛でしかないであろうに。
とんだドMだ、と喉の奥でくっと笑った。
「いいぜ。…おらっ」
「いっ……あぁぁぁっ!」
ヤツの根元をギュッと握ると同時に、奥まった場所に指を突き立てる。悲鳴に近い嬌声は引き絞ったように高く、女みてぇだ、と思った。
「いてぇよな。かんけーねぇけど」
「うんっ…いいから、もっと、して。す、すきにして」
呂律の怪しい口調、耐えるように噛んだ指。汗で額に張り付く黒髪に、その隙間からのぞく、濡れた黒曜石。
ゾクリ、と背筋が震えた。
俺のオサナナジミサマはとんだインランだったらしい。
それも悪くない。どうせここまできたら最後まで行こうがいかまいが関係ないのだ。
なら、自分もいい思いをしておくまで。
[ 3/68 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]
top