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吸血鬼×大学生
エロ薄め


―――目の前が真っ暗になる寸前。

傘をさした青年が目に入って。

『あぁ、 うまそう』と思ったところで、俺の意識は途絶えた。



―――いきなり何を言うんだと頭を心配されるかもしれないが、俺は吸血鬼だ。

設定とかはみんなが想像するアレでいい。血を飲むのが好きで、ニンニクとか十字架が苦手。でも日光は浴びても死にはしない。

苦手なものも我慢しようと思えばできるが、十字架なんかはヤケドしてしまうので出来れば近寄りたくない。だから俺は日本に来た。

日本は宗教が入り混じっていて、キリスト教も人気があるもののヘタな海外よりずっといい。

アクセサリーショップでクロスを発見し、意外な誤爆を食らうこともあるが、避けようと思えばいくらでも避けられる。

でも、今日は違った。いや、油断していた。

クリスマスが近づき、近くの教会などが一気にクリスマスを押して来たのだ。町のいたるところに十字架を持った神父がいて、教会に人を招いているのを見て吐き気がした。

そうして、冒頭にいたるのである。

―――ちくしょ、せっかくハロウィンを無事に過ごせたのに…っ

いたずらに吸血鬼のまねをするのはやめてほしい。あと、ジャック・オ・ランタンの横にニンニク置くな、なんか違うから。

近所のどこかずれたスーパーにそんなツッコミをしたのも記憶に新しいのに、また十字架の脅威である。

クリスマスって敵だよな…こういうときなんていうんだっけ、リア充爆発しろ?

まぁ、何でもいいけど、と思いながら目を開ければ、俺はベッドに寝かされているようだった。

紺色のベッドに、額に冷たいもの、冷えぴたというそれをベリッとはがすと、俺はそっと顔をあげた。

「あ、目が覚めた?」
「…あ、」





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