4




―――僕みたいなのを、本当にインランって言うんだ。

彼氏が愛想を尽かすのも、当然だ。僕は変態で、こんなに簡単に快楽に負けてしまうのだから。

「……彼氏は、君の何が不満だったんだろうね」

ぼそりと呟かれた稜さんの言葉に、僕は涙が頬を伝うのを感じた。

そんなの簡単だ。僕がダメだったからだ。

どんなに頑張っても胸は大きくならないし、余計なものはついている。せめてくびれを作りたくて痩せても、くびれる前に肋骨の浮いた醜い身体になってしまった。

想いは誰にも負けなくても、他が全部負けてて。勝てるものなんて無くて。

彼氏が女の子に走るのなんて、当たり前だ。

『―――そんなに俺が好きなら、誰かに股開いて金もらってこいよ。インランなオマエも満足できるし、一石二鳥じゃないか』

それでも、しつこく粘った僕に、彼はそういった。

そうだね、僕はインランだからいいかもね。

それで、君が満足できるなら、僕は―――

「んーっ!」

口の中に、今までの中で一番やわらかいモノが入ってくる。もうみんな飽きてしまっているのだろうか。一生懸命奉仕しなくては。

そう思いながら舌を絡ませていると、ざらざらとした感触で、誰かの雄ではないことが分かる。

恐る恐る目を開ければ、涙で滲んだ視界に稜さんの顔のどアップがあった。

「んっ、ん――っ!」

後ろから揺さぶられ、息もできない。そんな僕に空気を送り込むように、まるで人工呼吸のようなディープキスだった。

「今は、忘れろ……」
「はぁ、はぁっ、やっ―――」

あまりの快感が駆け抜け、僕はぶるぶると震える。びりびりと身体が痺れ、顔をあげることもかまわずベットに倒れ込んだ。

それでもお尻は抱えあげられ、うねる僕の中を味わうように雄が何本も突きいれられる。
僕はその感覚を感じながら、理性を手放したのだった―――





[ 16/68 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



top


「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -