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「………っ」
これは、気持ちいいかもしれない。適当に身をよじりながらそう感じた。
どこに逃げても、必ず誰かの手がある。乳首をつままれ、わき腹をなぞられ、背中の筋まで丁寧にローションが塗り広げられる感覚はたまらない。
「あっ」
同時に自身と奥を刺激され、僕は逃げるように腰を引く。その腰をグイッと引っ張られ、誰かの膝の上に乗せられた。
さらにローションをたらされ、僕はゾクゾクとした快感に震える。
「……気持ちよさそう」
「そんなわけ、ない」
耳元でささやく声は、稜さんのものだった。嫌がらなきゃ、と思わず首を振ったが、たちまち他の男優たちに奥を暴かれてどうしようもなくなってくる。
「あ、ああ、ひっ――――」
確実に、正確に奥を広げていく指。いろんな人の人差し指が4本も、僕の奥に沈んでいる。
それを僕は、稜さんの膝の上でまざまざと見せつけられていた。
僕はきっと、ライオンの群れに食われるガゼルだ。
そう思うと、被虐的な妄想が膨らみ、さらに快感が駆け抜ける。
僕はきっと、みんなに食べられてしまうのだ。それぞれの人差し指はバラバラに動き、中を広げるように動かす。
カメラが僕の前に回り、局部の様子を執拗に映そうとしている。
もっと映してほしい。僕がダメになってしまうところ、もっとみて。
「―――何して欲しい?」
そんな風に考えていると、考えを読んだかのように稜さんが尋ねてくる。
「もっと、見て……っ」
手枷がなければ、自分でお尻を広げて見せていただろう。でも、それができないから、関節が曲がるギリギリまで足を開き、腰を浮かせる。
男優たちが、興奮したように、僕をなじった。
なんてインランなんだ、我慢がきかないなんて、はしたないやつだ。
そう、そうだよ。僕はどうしようもないんだ。
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