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「―――はい、お茶」
その日の夜。僕は同級生のよしみで会長を休憩に誘った。
「あぁ……ありがとう」
会長は僕が目の前にお茶を差し出すと、意外にも素直にお茶に口をつけた。
僕は今までお茶なんて淹れたことなかったので、飲んでもらえて一安心である。
「ソファーで飲んだらどう?書類に万が一でもかかったらいけないし」
「そうだな」
会長はそういうと、これまた素直にソファーに移動した。
「まさか、俺だけ休ませる気じゃないだろうな」
前言撤回。ただの横柄な会長だった。
「……はいはい、御相伴させていただきます」
僕はそういうと、仕方なしに会長の前に座った。生徒会室には差し入れのお菓子が常に置いてあるので、僕はそのお菓子に手を伸ばす。
「最近仕事に熱が入ってますね」
「あぁ…吉原の分もあるからな」
「以前の状態に戻っただけでしょうに」
「それでも、やっぱり吉原の存在が大きかったんだろうな」
「……そんな風に思うなら、初めからそういう態度をとってればよかったんですよ」
言ってから、『しまった』と思った。
完全な失言だ。絶対会長に怒鳴られてしまう、と思ってビクビクしていると、会長はスッと目を細めて口を開いた。
「……やっぱり、俺の態度が悪かったのか」
「ん?」
やけにしおらしい態度に、僕は目を丸くする。
「教えて欲しい、俺はどう吉原に接すればよかったんだ?あの見た目だし『甘く見られるような性分ではだめだ』と思って、有能に育てているつもりだったんだが」
……これは、もしかしなくても……
「…会長、もしかして僕に相談しているんですか?」
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