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――――ピピッ、ピピッとなる携帯の音に、俺は目を覚ました。

画面を見れば真下からで、俺はしびれるようにダルい身体を動かして携帯を取る。

「―――もしもし?」
『おはよ、起きてる?』
「あー…うん……」
『しゃんとしろコラ。昨日心配で家に行こうかと思ったんだけど電気消えてたからさ』
「あー……ごめん」
『いいって。っていうか声すごいな。やっぱり風邪だったのか?』
「うーん…そうみたい」
『大丈夫か?お見舞いに行こうか』
「いや、いい。あんまり熱も高くないし一人で大丈夫」
『本当か?無理はするなよ』
「うん」

それから一言二言話して、俺は電話を切った。

「はぁ…夢であってくれ……」

―――昨日、家に帰り着いたのは参拝客がほとんどいなくなったころだった。

それまでさんざんあの変態に喘がされた俺の声はガラガラになってしまい、人に会える状態ではない。

真下に心配をかけるのは申し訳なかったが、昨日のことがあった状態で真下に会うとそのまま痴漢の感覚がフラッシュバックしそうな気がして俺は一人深い息を吐いた。

今でも身体は鉛のように重く、俺のケツはうずくような痛みを訴えている。変態が出した精液はきちんと変態がその場で処理をしたが、その感覚も不快で、俺は思い出さないように首を横に振った。

――――ピピッ、ピピッ

その時、もう一度携帯が着信を告げる。メールだと思って何気なく携帯を開き―――絶句した。

「なんだよ……これ」

そこにあったのはあられもない俺の姿だった。涙でボロボロになった情けない顔に、変態のものを埋め込まれた局部。

精液を拭き取るために最後に強制されたフェラの様子など数枚の写真が添付されており、俺は画像を見ながら口元を押さえた。

『かわいい君の一部だよ。声も大事に保存してるから、30分後に昨日の神社にもう一度おいで』

写真とともに書かれていたメッセージはそんなものだった。俺は差出人不明のメールにがたがたと震え、ギュッと自分を抱きしめた。





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