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真下が心配そうにしているが、俺はなけなしの力を振り絞ってにっこりと笑って見せる。
そうすると真下は観念したのか『……気をつけろよ』と言って手を振ってくれた。
「セナ君、またね」
「おう、佐伯さん邪魔してごめんな」
そうして二人と別れると、俺は死に物狂いで人ごみの中から抜けた。
――――気持ち悪かった…っ!早く逃げないと!
早く逃げないと、そればかりが頭の中に響いて、俺は息が上がるのも構わずがむしゃらに走った。
「―――セナ君?自分から人ごみ抜けてくれてありがとう」
……だから、人ごみを抜けきった時、腕をつかまれ抱き寄せられながらそう囁かれ、俺は目の前が真っ暗になったような気がした…。
「……んっ、ふぁ…っ!」
それからしばらくして、俺は神社の中から抜け出せないでいた。境内のはずれにある林の中に連れ込まれ、後ろから俺の息子とケツの穴をいじられている。
「―――本当、かわいいよねセナ君。新年初めに君みたいなかわいい子に出会えるなんて今年はいい年だなぁ」
「ひぁ……っ」
ぐりっと前立腺を押し上げられ、自分のじゃないみたいに変な声が出る。もう膝はがくがく震え、立っていられなくて後ろの男の人にもたれかかっている状態だった。
「本当は全部服ひん剥いて、両腕もこの木に縛りつけて、日が昇るまでセナ君の身体じゅうを愛でてあげたいんだけどねぇ」
「や……やだぁ…っ」
「そうだよね、寒いもんね」
この行為自体がいやだといったのに、後ろの男はうっとりしながらそんなことをつぶやく。
「だからちゃんとコート着せて、服も脱がさないでいてあげてるでしょう?…これ以上わがまま言われちゃったら俺、お仕置きしちゃうかもなぁ」
「ひぅ…っ!」
ギュッと俺の息子を握られ、身体がびくりと跳ねる。こいつ本気だ、と思うと俺は何とか抵抗をしてやろうという気持ちが萎え、『おとなしくしていた方がいいんじゃないか』という気分にさせられてしまう。
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