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昨日一昨日とあんなことがあったのに、変態とこんなふうに会話ができているのが不思議だ。

変態は冷蔵庫から野菜を取り出すとそれを洗って俺の前に置いてくれる。至れり尽くせりだなと思いながら野菜を切ると、俺は隣にいる変態を見た。

「円さん……?」
「えっ」

鍋を用意していた変態が驚いたように飛び上がる。持っていた鍋がシンクに落ちて、ガシャンと派手な音をたてた。

「いや、年賀状に名前あったから―――」
「うわー、どうしようっ」

そんなに慌てるとは思わなかったので慌てて言葉を足そうとすると、変態はそう叫びながらしゃがみこんでしまう。

俺は慌てて変態のところへ行こうとしていると、変態が両手で顔を押さえながら口を開いた。

「どうしよう、めっちゃ嬉しい……っ!」

変態は頬を押さえながら俺を見上げる。変態の頬は真っ赤になっていて、きっと見えない耳まで赤くなっているのだろう。

「ヤバい、勝手ににやけちゃう…っ!」

変態は頬を押さえながら変な顔をしていて、にやけるのを耐えているようだった。

―――名前を呼んだだけで。

こんなに喜んでくれるんだ、この人は。

変態―――円さんの姿に足りなかったピースがかちっとハマるような、そんな充足感を感じる。

この気持ちを何と呼ぶかなんて。

もう俺はきっと分かっている。ただ、出会いのことがあって素直になれないだけで。

「あーどうしよう、にやにやしちゃう…恥ずかしいなぁ」
「そんなに嬉しいの?」
「もちろん!」





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