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「ごめんね、お昼前に誘ったからご飯食べれてないんじゃないかなと思って。すぐに作るから紅茶でも飲んでてくつろいでてよ」
「え……」
「テレビのリモコンはそこ。DVDも好きにみていいから」

そういうと、変態はそのままキッチンに消えてしまう。リビングから覗くのはこれまた小奇麗なシステムキッチンで俺は変態の背中をぼんやり眺めてた。

―――なんか、調子狂う…

写真を消してもらうだけのはずが、どうしてこんなことになったのだろう。戸惑いのままに紅茶を一口飲めば、とても優しい味がした。

「ミルクティー好き?よかった」
「っ」

俺がほっと一息ついたのを見計らったかのようにキッチンから変態の声がかかる。

何となく恥ずかしくて聞こえないふりをしていたら、ほどなくして変態が戻ってきた。

「ごめんね、あんまり料理上手じゃないんだよね。ありあわせで申し訳ないけど食べて?」

そういって俺の前にパスタがおかれる。昨日の夜から何も食べていなかった俺の腹がゲンキンになった。

「…いただきます」

これはほだされたんじゃない、目の前のご飯を残すのはお百姓さんに失礼だからだ、そう自分に言い聞かせながらパスタを一口食べる。

紅茶と同じように優しい味付けがされたクリームパスタはすきっ腹に優しくて、思わず顔がほころんでしまう。

しかし、目の前に変態のニヤニヤ顔を見つけて、俺はハッと気合を入れ直して顔を引き締めた。ついでに変態を威嚇すると、変態は満足そうに微笑んでいる。





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