1
―――俺、藤川廉(ふじかわれん)は、今回諸事情で転校することになり、星麗学園に編入してきていた。
星麗学園は、全国でも有数の進学校である。男子校かつ中高一貫であることから、小学生のころから勉強に打ち込み、相当の苦労をしてやっと入れる学園である。
そのため、卒業と同時に輝かしい進路が待っている。T大学は当たり前、他有名私立や海外の有名大学、それ以外は医学部へ、そんな超エリート養成学園なのである。
そのため全国からの受験が絶えず、寮も設置されているとくれば、まさに勉強をするための牢獄である。
そんなところに、俺は高二の二学期から編入することになってしまったのだ。
基本的に志の高い人間の集まる集団であるため学籍が空くことはまずないのだが、今年は不運にも病気で退学を余儀なくされたヤツがいるらしい。
半ば申し訳ない気持ちになりながらも、全国模試一位と言う成績を買われて、俺は編入試験を経てこの学園に入ることになった。
夏期講習で一日たりとて休むことの出来ない夏休みのころから何度も見学をさせてもらっていたので、校舎案内などはつつがなく終わった。
「じゃあ、今日からクラスはCクラスね」
「はい、よろしくお願いします」
担任の先生にいわれ、俺は深々と頭を下げた。
この学園のクラス分けは、成績順と言うよりも進路順らしい。理系と文系、それから海外留学クラス。
この中でさらに医学・防大や私立等さらに分枝があるらしいが、基本的にこの三つに分かれていて、俺は一応理系に入ることになった。
理系クラスは勉強面でも科目数が多く、進路も多岐に渡るため、進路がイまだ決まっていない生徒はここに入れられるらしい。
海外の理系大学に進学することもできるらしいし、この先クラス替えも割と自由に出来るらしいので、不自由はなさそうだ。
[ 2/36 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]
TOP