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「――――チッ」
そんな俺を見て、朝倉昴はイライラしたように性急に足を持ち上げた。
後ろに熱いものを感じたと同時に、すぐに侵入してくる。
「―――――っ!!!!」
あまり慣らされていなかったので、激痛にめまいがする。
思わず強く指を噛んでしまい、ガリっという音とともに口内に血なまぐさい匂いが立ちこめた。
指と、後ろの痛みにぽろぽろと涙が溢れる。それでも、ギュッと目を閉じて痛みに耐えることに専念した。
絶対に泣き言は言わない、自分から折れることはないのだ。そう自分に言い聞かせ、涙を止めることに集中する。
「―――チッ、いい加減にしろっ!」
「ぁっ!」
朝倉昴はイライラしたまま、そう叫んで俺の指を口の中から無理矢理引き抜いた。
突然のことに目を丸くしたが、指をひったくられたことにより身体が動いてしまい、体内の異物をダイレクトに感じてしまう。
思わずギュッと後ろを締め付けると、また痛みに涙が溢れた。
「……粗末に扱ってんじゃねえよ」
「…………ふぁっ」
指先に優しい感触がして、俺はうっすらと目を開ける。
涙で滲んだ視界では朝倉昴がどんな表情をしているかなんて分からなかったが、シルエットだけで彼に指を舐められているのだと分かった。
もう一度、驚きに瞬きをすると、視界がクリアになる。だけど、目の前にいるのは相変わらず生意気そうな視線を向けてくる朝倉昴だけで。
「動くぞ」
「っ、あぁ!」
短く宣言して、俺の奥をえぐるような律動が始まる。先ほど奪われてしまった俺の腕はシーツにしっかり縫いとめられていて、動かすこともできない。
隠すことも出来なくなり、俺は揺さぶられるたびにあられもない声をあげてしまう。
痛みだけだったら、きっと我慢できたかもしれない。だけれど、奥をえぐられるたびに腰の方からジンジンと痺れてきて、それがもどかしい快感に変わっていく。
「あぁ、だめ、声が…っ」
「どうせ俺らしかいないんだし、叫べよ」
「はぁ、あっ、ふぁっ!」
朝倉昴は、俺がなんとか手を外して手で口をふさごうとするたび、ギュッと手の拘束を強くして俺の動きを封じてしまう。
それがだんだんエスカレートしてきて、両手をしっかり恋人のように絡める動作になってしまっても、彼は決して腕を離してはくれなかった。
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