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――それから、僕は文字通り犯された。
組長だという人が僕を蹂躙した後、先輩たちも僕に群がる。
折れていない手に雄を握らされ、口にも後ろにも逸物をつきいれられ、体中に精液をかけられ。
きっと、もう汚れていない場所はどこにもない。
それくらい犯し続けられた。
いっそ、気がくるってしまえれば楽だったかもしれない。
でも、僕をつなぎとめたのは、タツミさんとの約束だった。
―――僕は、帰るんだ。
あの人のところへ。光の下にいるあの人に、もう一度会いに行くため。
そうして、何度か分からない太陽がのぼったころ、すべての先輩が満足し終わったようで、ようやく解放された。
一応身体を拭くための水が用意され、お情け程度に服を投げられ、僕はその場に起き上がった。
―――きっと、おばちゃんたち心配してるから、早く帰らなくちゃ。
身体を拭きながら、そんなことを考える。
でも、折れてしまった腕は誰に相談しよう。
ヤナギさんに相談しようものなら、今までのことを話すことになってしまう。
かといって、他の人に相談したところで冷たく突き放されるのがおちだ。
自分でこっそり病院に行ったところで治療費を払えないし、ギプスを巻いてヤナギさんのところに行くのだから結局同じである。
「―――しかし、あのガキも哀れだよな」
そんなことを考えていると、馬鹿にしたような先輩の声が聞こえて、僕は思わず気絶したふりを続ける。
そうして耳をそばだてていると、先輩はさらに続けた。
「…アイツ、親の借金のカタで若頭に連れてこられたんだろ?」
「親のためってやつ?泣けるねー」
「馬鹿の間違いだろ。―――あいつの親、とっくに死んでるのに」
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