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※暴力注意
―――それから、僕の毎日は雑用と、ヤナギさんとのセックスがほとんどだった。
庭の掃除に始まり、まかないの用意、部屋の掃除に洗濯―――おおよそ皆さんが苦手で敬遠したがるものは僕の仕事になった。
それぞれの量は1人の時とは比べ物にならないほど多いから、僕はいつも時間ぎりぎりになってどやされてしまうのだけれど。
そうして、ヤナギさんのところへ行くのはもはや日課になってしまった。
僕の持ってきた荷物はいつの間にかヤナギさんの部屋に運ばれていて、晩酌の相手をして、身体を重ねるか、奉仕をするかをして夜を終える。
僕としては、朝が早いこともあり、ヤナギさんの部屋を出たほうがいいのは分かっているのだけれど、ヤナギさんにその話をすると不機嫌になるので、僕は大人しく従うしかなかった。
そんなこんなが二週間ほど続いて、事件は起こった。
「―――おい、セツはいるか?」
ニヤニヤとした顔の先輩たちが僕のところに来て、そういったのだ。
嫌な予感しかしなかったが、僕が恐る恐る『僕です』と言うと、先輩たちは僕をどこかに連れて行こうとする。
「…待ってください!まだ夕飯の準備中で―――ぐっ!」
「うるせー黙ってこいや!」
お手伝いに来てくれているおばちゃんたちから悲鳴が上がった。
先輩たちは僕をしたたかに殴りつけると、そのまま髪の毛を持って引きずるように厨房から引きずりだす。
「オマエ、分かってるだろ?上の命令は絶対だ」
何度も言われた、その言葉。
僕は引きずられながら見上げると、先輩はいやらしい目で僕を見た。
「組長からのお達しだ。―――若頭のお気に入りを味見してみたいそうだ」
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