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「――ん、ふ、っ!!」
―――あれから何時間たっただろう。
もうすでに何度も果ててしまった僕の身体は力が入らず、喘ぎをかみ殺すことで精一杯だった。
ヤナギさんは後ろから僕を乱暴に突き上げ、喘ぎをかみ殺す僕の頭をシーツに抑えつけるようにして僕を苦しめる。
「…オマエ、マゾだよな。苦しい方が、締め付けがいいぜ」
「ん――っ!!」
中心を強く握られ、もう出ない、と思っていたものが出てしまう。絶頂感に目の前で星がチカチカしているようだった。
「―――雪、こっちだ」
くたり、と力を失くしている僕を、ヤナギさんはあっさりひっくり返して、正常位で再び身体を重ねる。
―――雪、って呼ばれた……
前は『朝比奈のガキ』って呼ばれてたから、とても不思議な感覚がする。
ぼんやりと、僕を組み敷くヤナギさんを見上げていると、ヤナギさんは歪んだ笑みを浮かべた。
「―――早くあの野郎のところに帰りたいか?」
ヤナギさんにそう言われ、僕は顔をそむける。
これは応えてはいけない質問だ。
本心のままにこたえれば、今まで以上にきつく当たられるのは目に見えている。しかし、自分を偽ったところで、この人は僕の答えを分かっているのだ。
どちらにしても、ひどくされてしまう――そう思うと、視線をそらすことしかできなかった。
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