2
「……んっ、ふぁ…」
最初は優しくついばむだけだったものが、僕の唇を舌がなぞる様になり、息苦しさに口を開ければ舌を差し込まれた。
口の中に溜まっていた唾液がこぼれそうになるのを舐め取られ、温度の違うぬくもりに口内を蹂躙される。
「うっ、ぁ……あぁっ」
「…舌先を意識しろ。時々とがらせて、たまに絡める…うまいぞ」
タツミさんの声に誘導されるがままに、僕は舌を動かす。歯の裏や口蓋を舐められていると舌がジンジンとしびれてきて、まるで僕のものじゃないみたいだ。
「んっ…もう……くるしっ」
「…鼻で息しろ」
横暴に言いながらも、タツミさんは僕から唇を離してくれる。
とたんにぬくもりが消えた口内に、タツミさんの舌の存在感を思い知る。
最初は熱いと思っていたタツミさんの舌が僕の温度と混ざり合い、いつしか一つになっていたのだ。
そこまで考えるとなんだか恥ずかしくなってくる。
「…顔真っ赤。目も潤んで、男を惑わす顔になってきた。声も、恥ずかしそうに抑えるのがいいな」
「そんな……っぁんっ!」
僕が言い返そうとしたら、いきなり胸の尖りをつままれて変な声が出てしまった。びくりと反応した身体に、タツミさんは宥めるようにキスの雨をくれる。
服を一気にたくしあげられ、そのままの勢いで脱がされる。僕の矜持ごと剥ぎ取られてしまったのか、キスも平気だったのに急に恥ずかしくなってタツミさんの首にしがみついた。
タツミさんはそんな僕を喉の奥で笑い、そのまま乳首に吸いついた。じん、とそこがうずき、体温が上がったような気がした。
「ここでも感じられるのか…敏感で、可愛い色だな」
「ちっちが…ああぁっ」
僕が言い返そうとするたび、さらなる刺激で言葉を止められる。それはまるで、タツミさんの無言の圧力だ。
彼の言いたいことが体中からひしひしと伝わってくる。
―――素直になれ、そう言っているのだ。
「…だっ、だって、恥ずかしいっ…、ひぁっ、んんっ」
両方を一気に刺激を与えられ、僕は逃げ場もなく身悶えた。タツミさんの首にあった僕の腕はしがみつく力をなくし、ベッドに投げ出されている。
「それでいい。羞恥心を素直に出せ。お前を―――本当のお前を、さらけ出してみろ」
「っああんっ!」
[ 6/90 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]
top