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「―――僕は、冬慈さんが好きです。僕の幸せには冬慈さんが傍にいてほしくて、傍にいれなくても、笑っていてほしいんです」


僕が選ぶ幸せは、冬慈さんの隣で、笑って過ごしたい。

そうして、ほんの少しでもいいから、冬慈さんに『一緒にいて良かった』と思ってほしい。

そういう風に、思ってもらえるような人になりたい―――

そこまで考えたところで、冬慈さんから痛いくらいの力で抱きしめてもらえて、これ以上なく幸せだった。

「…雪、いつまでだって待つよ。お前が思っているよりずっと―――お前のことが好きなんだから」
「冬慈さん……っ」

僕たちは、どちらからともなく唇を合わせた。

何度も深いキスをしてきたのに、ただ唇を重ねるだけのキスがとても尊いもののように思えた。

大丈夫、僕はまだ頑張れる。

この約束があれば、たとえ僕が僕として生きられなくなったとしても、光を見失わなくて済む。

「…今日は、ひどいことを言ってごめんなさい」
「いいさ。…今日はもう帰るけど、また会いにくるよ。―――アイツに何かされたら言えよ?」
「はい……っ」


僕は僕の幸せを、僕の力で手に入れる。

終わりなんて来させない。


そこにあるのは―――本当に『僕』が望む幸せのための試練。





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