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デパートを出てみればすでにあたりはうす暗くなっていて、僕は急いでバーに戻ることにした。


最近は日の沈みが早く、日が沈んでしまえば外は寒い。だんだんと冬の様相を示してきた世界を、僕は走って家に向かった。

―――はやく、はやくっ。

土曜日が待ち遠しくなる。

タツミさんは喜んでくれるだろうか。

笑って、くれるだろうか――――

「あっ!」

―――その時、横から伸びて来た手に、僕は羽交い絞めにされる。

そのまま近くの公園に連れていかれ、訳が分からないまま投げ飛ばされた。

「……っ!ヤナギさん……っ」
「よぉ、楽しそうだな?」

見上げればヤナギさんが僕を見降ろしていて、口元は笑っているのに怒りをたたえた目で睨まれた。

そのまま腹を思いっきり蹴られ、僕はなすすべもなく地面にはいつくばる。

「みじめにそうしてればよかったのに…ちょっと好きにさせたらこれだもんな。オマエ、自分の立場しっかりわかってんの?」
「あっ」

そのままタツミさんへのプレゼントを奪われ、僕は縋るようにヤナギさんの手を掴む。

それを容赦なく振り払われ、さらに拳で肩を殴られた。

「ぐっ」
「顔は勘弁しといてやるよ。バーに出られなくても困るだろ?」
「返して、ください…っ」
「なぁ、これは誰の金で買った?」






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