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※3P
僕たちがシンジさんについていくと、シンジさんは僕たちを見て『ホラやれ』と言ってきた。
「―――はい」
僕は神妙な顔で頷くと、ユウイチさんをベッドに押し倒す。
僕がそんな行動に出ると思っていなかったユウイチさんが慌てたように身じろいだが、僕は彼のネクタイを首から抜き取ると、彼の眼に巻きつける。
「―――僕がしていると、考えないでください。慣れるまでは女の子のこと、考えていてください」
ユウイチさんにだけ聞こえるように、ネクタイを結びながら囁く。
この方が、きっと抵抗が少なくて済む。視界に入るのが僕でなければ、嫌悪感は少ないだろう。
本当に向き合うのは、身体が慣れてきてからでいい。ユウイチさんのペースで慣れてくれればいいのだ。
ついでにベッドサイドにあったSMプレイ用の紐で腕を縛っていると、シンジさんが口を開く。
「おい、何している」
シンジさんが不愉快そうに顔をしかめたが、僕はユウキさんの顔を思い出しながらできるだけ妖艶に見えるように笑い返した。
「―――僕、奉仕するのが大好きなんです。邪魔されるの好きじゃないから、ちょっとしたプレイの一環ですよ」
「へぇ、とんだインランだな」
「ふふ」
馬鹿にしたように笑うシンジさんに笑い返すと、ユウイチさんのベルトに手をかける。
ユウイチさんが逃げを打つより早く、彼自身に奉仕を始めた。
最初は手でゆっくりと温めるようにやわやわと揉んでいく。いきなり舐めては驚かれてしまうかもしれない、と考えた末の苦肉の策だった。
「…それだけかよ」
僕の手元を見ながらそういうシンジさんに、僕は笑顔で返す。
ユウイチさんは僕のことを考えていない。僕の存在は限界まで消さなければならず、声をあげることも、その身体に必要以上に触れることもためらわれた。
「―――奉仕が好きなら舐めてやれよ、インラン」
手での奉仕で少し芯を持ち始めて来たころ。シンジさんが僕の背中を足で押しながらユウイチさんの雄に顔を押し付けようとする。
僕はいきなりのことに声をあげそうになったが、それ以上にユウイチさんの足がびくりと震えたのを見て、宥めるようにキスを腿にした後、大人しく舌を這わせた。
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