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ローションを絡め、指の数を増やしていく。2本で広げるように動かしながらヤナギさんの雄に舌を這わせていると、ヤナギさん自身が起ち上がってきた。
「……ん、む、うぅ」
喘ぎたいわけではないのだけれど、口内で質量が増していくにつれ、苦しくなって声が漏れてしまう。
あまり長くくわえていても顎が疲れてしまうので、時々何でもない風を装って口から取り出す。
その行為を見ていたヤナギさんに『遊ばずに真面目にやれ』と言われ、仕方なしに再び口の中に招き入れた。
「…ま、もういいか」
「え、待…――――あぁーっ!!」
ヤナギさんはそういったかと思うと、僕の口の中から引き抜き、僕をひっくり返した。
いきなりのことに目を丸くする間もなく感じた激痛に、僕は悲鳴を上げる。
「キチィな」
「うっ…痛い……っ」
「へぇ?」
「あぁっ!」
まだ十分に解し切れていなかったせいで、挿入はできたものの痛みがひどい。
僕が思わず言ってしまった泣きごとをヤナギさんが聞き逃すことはなく、いきなり強く突きいれられた。
「あっ!!あぁぁぁっ!」
「色気ねー喘ぎだなおい」
僕は刺激に嬌声を上げることしかできず、目の前にあるシーツにしがみつくので精一杯だった。後ろの方を液体を伝う感覚がして、血が流れているのかもしれないと頭の隅で思う。
「ほら、もっと締めろ」
「ぐぅっ!」
ヤナギさんに背中をグッと押しつけられるようにされて、僕は苦しくて無意識に身体を強張らせてしまう。
その時に締め付けてしまう感覚が気に入ったのか、ヤナギさんは背中を抑えつけたまま、容赦なく腰を進めて来た。
「ふっ、んあぁっ!!」
―――こんな、強姦みたいな行為で…
信じられないけれど、前立腺を執拗に攻められ、僕は痛みの奥に快感を見出だし始めていた。
どんなに疎まれ、疎む相手であっても感じてしまうゲンキンな身体に、僕は深い絶望感を味わう。
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