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「ほら、意外とここも感じるだろ?」
そう言ってべろりと舐められたのは、耳の耳殻。形に合わせて食まれれば、ぞわぞわと落ち着かない。
「ユウキさん…そこ、ダメですっ、」
「男はダメって言われるとそそるんだよね。…ま、ダメって言われたし、やめようかな」
「えっ」
思わず物足りなさげな視線を向けてしまい、はしたなくて僕はうつむいた。耳まで熱いから、すでに顔は真っ赤なんだと思う。
「恥ずかしそーに目ぇうるうるさせちゃってさ。…そうゆうの見ると、支配したくなるっつーか、ブッ壊したくなるよね」
「そんな……っ」
「今日はレクチャーって言ったもんな。教えてやるからさ、ここでオナニーしてみろよ」
「え……」
僕が驚きに目を丸くしていると、膝からあっさり降ろされ、ベッドに横たえられる。
上から見下ろすように僕を見ながら、ユウキさんはさらに続けた。
「やっぱ、自分で実践して、できてるかどうかを確かめないといけないじゃん。どうしても出来なかったら、俺におねだりしてみな。うまくできたら、手伝ってやるから」
本気なのだろう、ユウキさんの言葉には迷いがない。それどころか、いまだにまごついている僕の方が悪いのだと、なじる様な視線さえ向けてくる。
「…ま、まずは自分でやってるようにやってみろよ。見ててやるからさ」
やったことぐらいあるだろ?と声をかけられ、僕は小さく頷く。
もはや決定事項であるかのように、ユウキさんは何もしてこない。急かすような視線に身を焦がされるような感覚を覚えながら、僕は覚悟を決めた。
「う……っ」
自分の下を脱ぎ、自分の中心に触れる。ささやかな愛撫で熱を帯び始めていたそこを握ると、そっと手を動かし始めた。
「………んっ、ぅあ、あぁ」
「意外といい声出すじゃん。そのまま続けて」
「はい……っ」
恥ずかしくて目も開けられないが、ユウキさんの言葉を頼りに自慰を続ける。
『下だけでいいの?』なんて言われれば、タツミさんとの行為を思い出して、自分で乳首を弄ったりした。
―――身体が、熱い。
うっすら目を開ければ、視界は涙でうるんでいて、見上げるユウキさんだけがはっきりと見える。僕の中心も涙を流し始めたのか、少しずつ湿った音が聞こえるようになってきた。
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