4
さっきとは違う、快感の涙が溢れてくると、タツミさんは僕の下を脱がせると中心に触れてくれた。
「、あんっ!ああぁっ」
散々じらされた結果だろうか、今までになく感じてしまい、あっけなく解放してしまいそうになる。
「出していいぜ」
「ひあぁぁっ!」
タツミさんのそのささやきを引き金に強く刺激を与えられ、僕は抵抗する間もなく果ててしまった。
肩で息をする僕をじっと見ていたタツミさんが、涙の浮かぶ僕の目じりにキスをする。
視界の端に白濁で濡れたタツミさんの手があって、僕は現実から逃れるように目を閉じた。
「っひ、」
しかし、僕はそのあとに訪れた刺激に目を見開くことになる。つぷん、という音が聞こえてきそうなほどの侵入、しかもそれが僕もほとんど触れたことがない場所となってはどうしようもない。
「タツミさ……タツミさぁん…っ」
「力を抜いて、息を吐け」
「はい…っ。抱きついても、いいですか」
「好きにしろ」
好きにしろ、だとか、なんて優しくない言葉だろう。それでも、縋ることを許された僕は、彼の体に腕をからめた。
タツミさんは僕の出したものを潤滑油代わりにしていたようだったけど、足りなくなってきたのかベットサイドからボトルを取り出した。
いくら性行為の経験がないからといって、ボトルの中身がわからないほど無知ではない。
トロリ、と人肌に暖められたローションが身体を慣れていく感覚すらも、僕は感じてしまっていた。
「…声は抑えるな。吐き出してしまった方が楽になる」
「そっ、そん…あぁんっ!ダメですっ!」
ぐちゅぐちゅと濡れた音がするほど早く掻き回され、僕はイヤイヤと首を振る。不快感が消えて、奥がうずくようなもどかしさに支配されていくのがたまらなかった。
まるで、タツミさんに身体を作りかえられていくようだ。
指が二本、三本と増え、腕の力が抜けてしびれてきたころには、僕の中心は再び頭をもたげていた。
もどかしさが快感に変わり、湿った音から耳まで犯されているようで、僕を包むタツミさんの温もりも、今では興奮材料でしかない。
ずる、と指を抜かれ、喪失感にタツミさんを見上げると、タツミさんは至近距離で笑った。
「わかるか…自分のここがひくついてるの。モノほしげにしているんだが…何がほしい?」
[ 8/90 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]
top