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僕がいきなり声をあげてしまったのを許してほしい。
タツミさんは乳首への刺激をそのままに、僕の中心に触れたのだ。そこはいたいぐらいに熱を発していて、タツミさんのさらなる刺激を待ち望んでいる。
「…もどかしいなら、そのまま自分で慰めてもいいんだぞ?」
「やっ……だって、はしたない…っ」
「ふ、そこではしたないと来たか」
分かっているくせに、タツミさんはそんな意地悪なことをいう。
タツミさんは僕の乳首を解放すると、射ぬくような目で僕を見た。
「…下は俺が触ってやる。乳首は自分で弄るんだ」
「そんな……っ」
熱を持った体に対する仕打ちに、僕は思わず涙が出た。唾液で濡れたそこだけがひんやりしていて、僕の気持ちとは裏腹にさらなる刺激を欲している。
「ほら、お前が始めないと、俺が始められないじゃないか。―――早く」
「う、ううっ」
ぐずり始めた僕を慰めるように頭を撫でてくれるくせに、口は急かすように僕をなじる。
すっかり色づいたそこを視界の端に入れると、僕はギュッと目を閉じてそこに触れた。
「…んん……たつ、みさ…っ」
「片方だけでいいのか?」
どうだろうかと伺い見るようにみれば、たちまちそう返され、僕はさらなる涙が頬を伝うのを感じた。
でも、タツミさんの視線の奥に燃えるような欲情の炎を認め、僕はもう片方の乳首に手を伸ばす。
―――僕が素直になれば、タツミさんは欲情してくれるんだ。
幻滅されていない、それが僕の中で唯一の光になっていた。
一度刺激を与え始めたらもはや止めることはできず、僕はそのまま一心不乱に手を動かした。
一度伺い見た視線は外す機会を失くし、僕はタツミさんを見上げながら夢中で弄る。
じんじんと疼くそこを宥めるための行為なはずなのに、弄れば弄るほど、さらなる疼きが快感を巻き込んでやってくる。
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