謙也はゲームの電源を入れた


…ブン


「で、30人の女の子に道を聞いた感想は?」

「最初の数人は死ぬほどはずかったけん意外とすぐ慣れたわ」

「話しかける抵抗感が少しは減ったんやったらよかったすわ」


ホログラムの少女との会話にもだいぶ慣れてきたようなきがする
相変わらず原理は不明だが困った事はないので問題ないだろう
飽き性の謙也がこんなに続くのは珍しい事であったが苦ではなかった

「なんや、やっぱりそうゆう事やったん…でも」

「タイプの子や綺麗な人には話かけられなかったんやろ?」

図星をつかれて謙也は思わず飲んでいた炭酸飲料を吐き出すところであった
寸でで抑えたものの今度は器官に入り盛大にむせる事となったが

「可愛い人のがランクが高くて軽くあしらわれそうな気がするんですやろ?でも可愛い人は道を教えてくれないけどブスな人は教えてくれる、なんて関係あらへんかったでしょう?」

謙也は再び炭酸飲料をゆっくりと飲み込んだ

「道を教えるんを断った人はそういう性格だったりそのときたまたま忙しかったりアンタの聞き方がまずかっただけですわ」

ビシっと指揮棒で指されるが誉められているのか貶されているのかは微妙である
謙也はとりあえず口を開かなかった
少女は続ける

「それはナンパでも同じなんですわ。やからタイプやと思ったらドンドン攻めたって下さい!」

「なるほど…」

謙也は空になったペットボトルをゲームに揃えて置いた
それはちょうど少女と同じくらいか高いか位であったが少女は全く気にしていなかった

「あと、道聞いてて感覚的にわかったと思いますけど話かこる時は原則1on1ですわ!対応しやすいですからね」

少女は腰に手を当てて髪を腹ったら
細かいデティールも一々よく出来ているし動くと思う
少女はまっすぐに謙也を見ていた

「2人組をナンパするなら6対4の比率で話かけるとええんすわ。このこに興味ありますっていう空気出しつつも片方は蔑ろにしたらあかん!5対5はどっちつかずなりますからこれもあかんすわ!」

少女は挑発的に唇を釣り上げた
謙也もなぜだか唾を飲み込む

「そしたら明日までにタイプの女の子ナンパしてきて下さいね!いざ勝負時や!」

少女は再びビシっと指揮棒で謙也を差した
謙也がそれに大きく頷く

「結果楽しみにしとりますよ」

「あぁ!!」

…ブン

少女はまた消えてしまった


「宿題やったら名前教えてくれる言うたんに」

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