「そういえばなぜうちなー戻ってきのみぐさぁ〜ぬ?」

あれから知念の車でアメリカンビレッジに行ったり大通りを見て回ったりしてから仕事の終わった木手を回収して3人の馴染みの呑屋に来ていた

「ん、うっぴーねぇくまでわじゃがぁる」

平古場は向こうで海洋哺乳類の研究をしながら水族館で働いているらしい
今回はこちらの研究施設に用があるのだという

「ふうん」

木手は聞いておきながら興味なさそうに呟いてビールに口付けた

「とりま、ハナハナさびら」

奥から泡盛を持ってきた甲斐がそう言って平古場の横に腰を下ろした
向かいに座っていた知念が美しい琉球ガラスの瓶とグラスに手を伸ばし酌をしてゆく

「知念」

名前を呼ばれて顔を上げた

「にふぇーでーびる」

「えっ、あ、うん」

そう言ってニッコリ笑った平古場は知念が注いだグラスを配り分ける

「ハナハナ〜」

俯きながら1人ちびちびと炭酸飲料を飲む知念を見ながら木手は小さくため息を吐いた







うっぴーねぇくまでわじゃがぁる→こっちで用事がある
ハナハナさびら→乾杯しよう

翻訳→もんじろう