「えっ…ちょっ……えぇ!?」

「おはよう」

小石川は玄関の扉を開けたまま固まった
特に取り立てて用のない冬休みの朝
部活も引退しとりあえず炬燵で参考書を眺めていたらインターフォンが鳴った
その音に呼ばれて外に出てみれば

「何で銀さんがおるん!?えっ実家帰ったんちゃうの?」

「東京には明後日帰るんやけど、それより健はん今日空いてます?」

「あっ空いてる!!」

と、いうより銀が訪ねてきた時点で全部キャンセルだ
まぁ、部屋の掃除と夕食作り位しかないのだが

「もぅ、何でいきなりやねん…わかってたらもっと、こう、洒落た格好やってしたんに」

「健はんはいつだって可愛ええですよ」

「……とりあえず鞄と上着取ってくる」

何事もないようにあんな事を言われて小石川は慌てて部屋に帰っていった
石田が前もった連絡もなしにいきなりやってくるのは珍しい
けれどこの日にこうして来てくれた事が嬉しかった
小石川は鞄に必要なものを詰めてお気に入りの白いファーコートを羽織ると無意識に歌うように呟いた

「メリークリスマス」







メリクリ!!