「絶対に手離さないでくださいよ」 「わーってるって」 光は謙也の手をシカっと掴みながらプルプルとした足取りでゆっくりと右足を踏み出した 「ひゃっ」 「うぉう!」 ツルリと右足が滑り慌てて崩れるような謙也にすがりついた 謙也もあわてて抱きしめて支えてやる 「大丈夫か?」 「は、い」 光はゆっくりとそしてしっかりと体制を持ち直す しかし両手は未だに謙也の上着を掴んだままである 「光って運動ならなんでも得意そうなのにスケート苦手って以外やな」 「小さい頃に一回連れてきて貰った時に滑って頭強打してもうて…それからトラウマなんですわ」 謙也は光の手を上着から離すと自分の手首を持たせ手のひらを合わせるようにして自分も光の手首を優しく握る 「やったら別な無理せんでも良かったんに」 「せやかて…謙也さんが誘ってくれたんやし、謙也さんとなら楽しいかなって」 ごにょごにょと尻つぼみになりながら真っ赤な顔を逸らす光がかわいらしくてかわいらしくて抱きしめたくなるのを謙也は寸でのところで抑えた こんな人前で抱きついたりなどしたら後から怒られるのが目に見えている 「そか、ありがとう」 謙也はゆっ |