「千歳っプリント持ってきてやったで」

インターホンの安っぽい音に起こされ渋々と扉を開けばそう言って白石にプリントを突きつけられた

「あぁ…ありがとう」

未だ覚醒しない頭でプリントを受け取り後頭部をボリボリとカキながら目を通す
チラリと目をやれば用は済んだ筈なのに関わらすそこから立ち去ろうとしない白石の姿
若干赤味を帯びたその表情にふと、前回うちに彼女が来たときに取り付けた約束を思い返した

「寒いとこご苦労だったけんね、上がっていくと?」

顎で玄関からすぐそこの居間を指せば仕方ないなどと呟きながら白石は狭い玄関に足を踏み入れ靴を脱ぎ始めた

「何かいれるけん適当に座って」

簡素な台所に向かい紅茶の準備をする
その背後でちゃぶ台の側に座った白石がモゾモゾしているのが伺えた
千歳はクスリと小さく笑ってからミルクたっぷりの紅茶とブラックのコーヒーが注がれたマグカップを両手に持ちそちらに向かう
コトリ、と音を立ててちゃぶ台にマグカップを置くと小さくおおきに、と返事をした白石がミルクティに手を伸ばした
両手でチビチビと口をつける姿は愛らしいと思う
けれどそれ以上に

「やらしかね、白石」

白石は真っ赤になって俯いた
千歳はマグカップを取り上げてちゃぶ台に置くと白石のすぐ脇に手を突いて耳元で囁く

「スカート、捲ってみなんせ」

千歳が足を割るように迫ってきた為に正座が崩れ、たてられた膝がプルプルと震えている
白石は荒く息をしながら片手を制服のスカートにかけた
ゆっくりとたくし上げられたその中身をみて千歳はほそくえんだ

「くらはヤラしか子ばいね」

わざとクスクスと音を立てて笑えば羞恥から顔を真っ赤にさせる

「くらは俺にどうして欲しいと?」

ビクッとした白石が涙ぐむ
我ながら意地の悪い問いだと思う

「さっ…触って」

なめらかなふくらはぎに手をやりゆっくり撫で回しながら上へとのぼらせていく

「触るだけでいいと?」

白石はぷるぷると首を横に振る

「指いれて、ぐちゃぐちゃにして欲しい」

その瞳は欲情に塗れ期待を浮かべている
普段は清楚で可憐な少女を纏っているくせに、ひと皮むけばこんなにも厭らしい
今日だって前に「次くるときはパンツ履かないで」なんて言ったら本当にノーパンで来たのだ
どこでどうしてどんな気持ちでこれを脱いでここまで来たのか
きっとそのあいだ彼女の心の中は自分でいっぱいだったのだろう
厭らしくて美しい
そんな彼女の快感も思考も、言うなれば身体も心も満たすのは満たせるのは自分だけ
言いようのない征服感が自身を襲う

「あっ…なん…で…?」

ズルリと指を引き抜けばキュウと締め付けられながら物足りなさそうな声がする

「なしてって、指だけでよかと?」

途端、色に溺れ朧気であった彼女の瞳の奥がギラリと光った

「や、千歳の…ほしぃ…」

パカリと細い指に開かれたそこに頗った自身をうずめながら
あれば捕食者の瞳だったと身震いした
眼下の彼女を攻めているのは自分だが実際に喰われているのはもしかしたら自分なのかもしれない
全く弛むことのないその締め付けを艶やかに喘ぐ美貌を
知った今はもう他の女なんて抱けないな、なんて考えたらギュウゥと締め付けられた

「や、うちだけ…み、て」

まぁ彼女にならいいか
顔よし性格よしでエロいなんて最高じゃないか

「仰せのままに、姫さん」

千歳は啄む様に口付けると緩やかになっていた律動を再開させた






あんまり悪くない千歳でした