「ん、く……ら?」 朝、覚醒しない頭で側にあるはずの温もりを手繰り寄せようとした手のひらは簡単に空を切った 重い瞼を持ち上げても写るのは自分の浅黒い腕とよれた煎餅布団 昨日の熱い夜は夢だったのか、なんて考えながら頭をポリポリとかくがそうでないのにこの真冬に何も纏わず寝る理由もないのでそれは無いなと決定付け辺りを見回せばクスクスと笑い声がした 見やれば襖にもたれながら湯気だつマグカップを両手に持った探していた人物 一部始終を見られたらしくクスクス笑い続ける彼女は億劫だったのか昨晩自分が脱いだ服を上だけ羽織っている 平均男性より身長もあり体格もよい自分の服は彼女が着るには大きい上に肩や胸元がとても、という程ではないが開けたその服は少々朝には刺激が強い気がする 少し動けば胸の飾りが顔を出しそうであり、微塵も隠れていない谷間には昨晩つけた印が点々と散っている 「くら、おいで」 布団の上に胡座をかいて掛け布団がかかったままの膝をポンポンと叩くと彼女は一瞬、大きな瞳をくるりと見開いてからマグカップを背中にあったちゃぶ台に置いてモソモソとすり寄ってきた そんな彼女の脇の下に手を差し入れ半ば持ち上げるようにして向かい合わせに自分の膝の上に座らせる 鼻先をこすり合わせれば啄むようにキスをされたのでやり返すように唇に食らいつくと先ほど飲んでいたらしいココアの香りが鼻をつき、その味を拭うように舌を絡ませた 眼下にある膨らみを真上からみれば隠れ切れていない桃色の飾りが顔を出していて思わず誘われるように摘んだらビクンと肩から足にかけて大袈裟な程に震えた 自分の臍のあたりにある足の付け根は見えないものの辺りに散らばったままの下着をみる限り何にも覆われていないのだろう 少し意識して腰を動かせば鼻から嬌声が漏れた 可愛い、そう思ったのもつかの間で彼女の細く白い手のひらが自分の脇腹をスルリと確実に官能的な仕草を伴って撫で上げた 昨晩も散々したのに関わらず朝から、怒られるかとも思ったが杞憂だったようだ 彼女も乗り気である そう確信するや否やその手のひらを掴んで布団に押し倒した 「まだ朝やで?」 「よく言うばい」 ソロリと彼女の足の付け根に手を伸ばせばクチュリと音がして「ヒャン」なんてかわいらしい声が上がった 「こげん濡れとるとよ、昨日のだけじゃなかとね」 意地の悪い顔をして濡れた指先を舐めると真っ赤な顔で睨みながら 「千歳やって大概やろ!」 と、白い太ももで緩く頭をもたげたソレをやわやわと刺激した 「くらがむぞらしかけん、仕方ないばい」 あっけらかんと言い笑う千歳に毒を抜かれた白石は一瞬だけ眉を寄せてから開き直った様に千歳の首に腕を伸ばした 千歳はそれに気をよくして服をめくり上げると胸元に吸い付いた 昨晩自分が付けた後をなぞるように口付ける 消えないように、なんて幼稚な独占欲を込めながら 飾りを口に含んで吸い上げればブルリと震えて「ふぅあん」なんて鳴きながら千歳の髪に絡めた指先に力を込めた カリ、と甘噛みをしてやれば「ヒャアン」と甲高く鳴いて腰を跳ねさせるのに満足したらしい千歳はペロリと最後に飾りを一舐めしてから顔を離した 口で乳房を弄られただけなのに目元を真っ赤に染めて息も絶え絶えな白石をみて満足そうに、しかしながらやはり意地悪そうに微笑んだ千歳は先ほど触れなかった左の乳房に指を這わした 「くらのココ、触ってもないにこないなっちょる…やらしか仔ばいね」 「はっ…ふわぁ…ひゃぁ…」 クリクリと指の腹で弄ればむず痒そうにピンと爪で弾けば喉を反らし甲高く鳴くその様を喜々としながら見つめつつ、もじもじと擦り寄せられた太ももに手を伸ばすと鷲掴みガバリと開いた 「ひぅっ」 怯えた様な声をあげつつもその瞳は溶けて唾液でテラテラと光る唇は荒く息をしている 何てことはない、期待しているのだ 「どげんして欲しいと?」 緩やかに浅く指を沈めれば焦れた様に腰が動く 「や、早く、」 ふるふると其れではないと首を振る 白くて細い足が腰にまとわりついてくる その太ももの内側には自分がつけた斑点が未だ色濃く残っていて口元が緩んだ 「千歳、早く、入れてぇ…!!」 ズブリと塗れぼそったそこにあてがったままであった指を二本挿入する すっかり熟れたそこは千歳の太い指も難なく受け入れた 「あっ、うっ、あっ…ちがっ違うぅ」 確実に感じてはいるものの違うと、物足りないと首を振る いいとこに触れては離れてかき回しながらジリジリと追い詰める 「我儘とね、ちゃんと言わんとわからんとよ」 わざとらしく優しく諭してやる 分かってるくせに、いつだってこちらより上手で楽しそうに見下ろすのだ しかしそれすら白石にとっては快感に直結する 「意地悪、せんといて、千歳の…そのおっきなっとる奴がえぇのぉ」 白石はトロリとした視線で隠れもせずに渤ち上がったソレを見やった 「よかよ」 千歳は指を引き抜くとねっとりと口付けを送る しながら細い白石の腰を掴むと分け目をなぞって、それから勢いよく挿入した 「……!!」 嬌声は千歳の口内に消え白石は蹂躙する舌にただただ必死に付いていこうとする しかし千歳が強く腰を打ちつけるたびに全身が甘く痺れ力が抜けるのでそれもままならず息も絶え絶えに涙を流した それをみた千歳がゆっくりと唇を離し溢れた涙を舐めて目尻に口付ける そのまま耳元に軽く息を吹きかけてからクチリと舌を差し込んだ 「くら、限界」 「ん、えぇよ…来て」 言うや否や千歳の動きが一層激しくなる 「あっ、ひゃ、ひっひぃ…あぁん…!!」 一際大きなグラインドを伴いいいとこを抉られた白石が背をしならせながら達するとそれに合わせて千歳も爆ぜた 「もぅ三時やし」 白石がダルそうに目覚まし時計を読み上げた 昼前に起きてセックスしてぐだぐだしていたのだ 「一日終わってまうやん」 頬を膨らましてぶぅたれる白石に千歳が笑いながら頭を撫でた 「一日中2人でいれたけん、俺は満足とよ」 くらは?なんて上目遣いで言われたら頷くしかないではないか すれば更に引き寄せられて逞しい胸板に頬を寄せる 今夜は何か出前でもとろう、そう思案しながら白石はこの微睡みと恋人に意識を委ねた (ありがと10000! みんな大好き!!) |