真田の家に遊びに行った。たぶん三回目くらい。手土産に焼いたチーズケーキと庭のハーブで作ったハーブティーを持っていったらスゴく喜んでくれて逆に申し訳なかった。真田の家に行くといっつも旅館みたいに対応してくれる。だいたいは離れに案内されてそこに荷物を置いてから居間で談笑して、真田のお母さんとお祖母さんと一緒に夕飯を作る。うちは洋食が多いんだけど真田の家はいっつも和食でお祖母さん、お母さんって受け継がれてる味をちょいちょい学ばせて貰うのがすごく嬉しい。いつかちゃんと受け継げたらいいな。
魚の煮付けとほうれん草のお浸しになめこと豆腐のお味噌汁、それから白米の今日の夕ご飯を真田家のみなさんに混ざってご馳走になる
それから広い木製のお風呂をお借りして用意して下さった浴衣に袖を通して真田の待つ離れに向かう
多分、お風呂を上がってから襖ごしにご両親に声をかけた以外に誰とも顔を合わせる事がなかったのは気を使って下さったのだと思う
長い渡り廊下は冷えておりこの季節に浴衣で歩くには些か寒かった

「お待たせ」

離れの襖を開けば真田は読んでいたらしい本をパタリと閉じた
その横にちょん、と座ると少し湿ったままの頭を撫でられた

「真田の家のお風呂ってすごく広くて羨ましいな」

「そうなのか?まぁ気に入って貰えたなら何よりだ」

自分から真田とおんなじ匂いがするのがなんかくすぐったくてクスクス笑いながらじゃれてみる
真田と2人でこう、何でもない時間を安堵感に浸りながら過ごせるのって幸せだなって思う
それから、奥の襖をひらくと布団が一式で思わず笑えてしまう
それだけ真田家に受け入れられてるって事だよね

「せっかくだからご好意に甘えようよ」

コロンと布団の上に仰向けに寝そべって真田の手を引いて左胸に押し当てた

「なっ…お前」

真田が顔を赤らめるのが面白くてクスクス笑う

「下着はどうしたのだ」

「どうせすぐ脱ぐわけだし、和服って本当はこう着るんでしょ?」

もちろん下だって履いていない。にっこりして言えばあらかさまにため息を吐かれた。けれど覆い被さってキスして左胸を鷲掴んだ辺り、なんだかんだで真田もノリノリなんだと思う。現金だけど、違ってもショックだからいいや。
なんて、どうにかこうにか考えてるけどだんだんと思考が奪われてくる。初めてキスした時はお互いファーストキスで歯がぶつかっちゃったて思わず笑っちゃったけど、そんなの昔の話だ。今じゃ真田も手慣れたもので、それについていけなくていつも咥内も頭も熱くてぐちゃぐちゃにされる
熱を持った舌で唇をなぞられて割れば中をまさぐられる。逃げることも出来ずにただただされるがまま
シュルリといつの間にか下がっていた手が帯に手をかけ勢いよく解かれる。併せを開かれれば隠すものはなにもない。まぁ今さら隠す理由もない。

「綺麗だ」

ポツリと呟いて先ほどのやり取りで少し過敏になった左胸をしゃぶる。ねっとりと舐められてから赤ん坊のように吸い上げる

「ひぅ…うぁ…」

「指を噛むな」

声を上げまいと指をくわえようとすれば目敏くはがされた
しかしここは真田の家でありここが離れといえど本邸にはご家族がいらっしゃる。そう告げれば気にするなと一蹴された
きっとこの離れは長年、真田家の蜜床の役目を担ってきたのだろうな、と思う。この場所で代々愛の営み(なんて言うとなんだかむずがゆい)を行ってきて、いま自分もその流れの中にいる

「考え事とは余裕だな」

「ひ、ひゃあぅ」

急に今まで触れられなかった秘部を撫であげられた
そこからはすでにぐちゅぐちゅと熟れており真田を待ちわびていた

「ひゃぅ…ん」

太い二本の指で撫で上げて、そのままツプリと射し込まれる
真田からの愛撫により開発されている身体は今となっては簡単にそれを受け入れる
シーツを掴み艶やかな声を上げながら真田の方を見れば着物の併せから頭を覗かせた自身が見えた
幸村は震える腕で上体を起こす

「せい…!?」

真田は驚きつつズルリと指を引き抜く。幸村はそっと、真田のソレにてを伸ばした

「いったいどうした…?」

真田は特に咎めることもなく幸村を見ていた。幸村は併せを開き顔を出したソレを手でゆっくりと優しく握ると軽く、尿道部に口づけた
知識はあるがやった事はない。真田は幸村に何かを強制させるようなことも、幸村が嫌がる可能性のあるものを持ちかけることも決してなかった
ただ幸村は真田のそれをみて、自分も真田を気持ちよくさせたいと思った。だからしてみることにした。そこに嫌悪感も戸惑いもなかった

「あぅ…ふ、」

小さな口に亀頭を孕む。割れ目を一度だけ舌で抉ってからのどの奥までソレをくわえる。真田は一瞬、顔を歪めたものの何を言うこともなく幸村の頭を撫でた
それに気をよくした幸村は拙い動きで舌で愛撫する。口に入らない部分は右手で扱き左手でその下にある袋を揉みしだく。しばらくしてそれなりの硬度を持ち始めた時、思い出したかのようにくわえたまま頭を前後に動かし始めた。

「うっ…」

思わず真田も声を上げ、幸村はまたそれに気をよくする。すると添えられていただけの手のひらで頭を優しくだが押された

「幸村、で…る、」

紅潮させた頬と眉間に寄せられた皺がひどく色っぽく映る。
幸村はイヤイヤと頭を振ると両手を根本に添えてチュルルと吸い上げた

「あっ…!」

その刺激に張り詰めていたソレは勢いよく弾けた
初めて口でうけたその刺激に幸村は思わず顔を離してしまい半分程度は咥内に入ったものの残りの半分は顔と、それから首か胸にかけて飛び散った

「すまない、大丈夫か!?」

真田は慌てて幸村の顔を拭うとゴクン、という音がして白い喉が上下するのが見えた

「な…お前…!」

「あんま、美味しくない」

真田は大きくため息をついた

「うまいわけなかろう」

「いいの、真田だって私の舐めるくせに」

「ものが違うだろう」

着物の袖で荒々しく精液を拭うと真田は雄々しく脱いで布団の外に放り投げた
幸村の両手首を掴み再びそのまま優しく押し倒す

「真田、知ってる?精液のほとんどはタンパク質で出来ているんだって」

「保健の授業で言っていたな」

幸村は離された腕を首に巻き付けると顔を引き寄せて耳元で囁いた

「だから、さっき飲んだ真田の精液は、文字通り私の血となって体を巡って肉となって私の一部になるのよ、素敵じゃない?」

「…たわけが」

耳朶に噛みつかれ、それから熱い口づけをされる
再び硬度を持ち始めたソレに割れ目をグチグチとなぞられ堪らなくて細長い足を屈強な腰に絡めれば誘い込まれたように侵入してくる

「あっ…ひゃう…あぁ…」

唇と唇の隙間から嬌声が漏れる。すがりつくように首へ回した腕に力を込めればズン、と奥をつかれた。間を空けず押し上げる様に中を貫かれる
途端、ガリリと舌に噛みつかれた。思わず膣を締め付ければ真田が小さく呻きジュルルと唾液を吸い上げられれば鉄の味がした。そう思った瞬間ヒドく奥を抉られる

「ふっ…あぁん!!」

唇が離され声を上げた瞬間、幸村は果て真田もゴム越しに吐き出した。


「いひゃい」

幸村が舌を出して真田に見せつければ赤くなった傷口を撫でられた
2人は湿った敷き布団の上に肌掛けを重ねその上に向かい合わせで寝そべっている

「俺の体をお前の一部が巡るのも、悪くないだろう」

幸村はカアァァと頬を赤らめると真田の胸板にすり寄って顔を押し当てた
先ほどの自分の言動に今さら羞恥しているのだろうか
そんなかわいい恋人の頭を撫でてから掛け布団を引き上げた

「明日は日曜だし、どこか行くか?」

「上野行きたい、美術館行って公園行っていつもの喫茶店行きたい」

「わかった」

顔を上げた幸村がウトウトと瞼を下げ始める
ポンポンと頭を撫でていればいつの間にか小さく寝息が聞こえてきた

襖の向こうからは月だけが2人を見ている






=I love you
(長かった…)