「はっ…はぁ、ちと…せぇ」

「くら、ここにいるとよ、」

フラリ、いつも通り気の向くまま風の向くまま散歩に出かけた
なんとなしに電車を乗り継ぎ、親切なおばあさんお爺さんにお世話になったりもして、一週間位たってしまった
久しぶりに帰ってきた家の扉の前に座り込んでいる彼女をみて、少しふらつきすぎたな、って思った
彼女は俺に依存している
勿論そう仕向けたのは俺
可哀想に彼女はこれから先、俺から離れる事は出来ないだろう
こんなに美しいくて、完璧な彼女を唯一征服して掻き乱すのが、俺
すごいすごい優越感
彼女には俺が必要
彼女は俺を失う事を恐れている、それはもう異常な程に
2、3日ふらりと姿を消すことは大丈夫
ただそれ異常は危険
昔、一度だけ半月位ふらりといなくなったことがある
帰ってきた時の彼女はそりゃもう憔悴しきって目も当てられなかった

「ちとせっ、すき、しゅ…きぃ…いぃっ!!」

俺の腰に跨って、必死になって腰を振る
そのたびに胸がぷるんぷるん揺れてスゴく美味しそうなので噛みついてやったら軽く達したらしい
へにゃり、と俺の上にうつ伏せで倒れ込む
すでに何度も達している体は限界なのだろう

「ひゃっひやぁぁ…!!」

引き抜く事をしないまま組みしけばいいとこを擦ったのかまた喘いだ
太ももに手をかけて持ち上げる
ただでさえ細い体は更に痩せ肋骨が浮き出ていた
そんな腰を掴み容赦なく叩きつける

「あっひぃぃっやっあっあっあぁ…!!」

ふらりと消えて帰ってくると彼女は決まってセックスを求める
全身で俺を感じたいらしい
肌と肌が触れ合って、全部弄って、全身を使うセックスは性だけでなく生も感じられる気がする
必死に縋る彼女を見ていると余計そう感じる
いつものセックスは彼女と性と快感だけだけどこの時のセックスはもっと重たい意味を持つ気がする
多分、俺がこのセックスを拒否したら彼女は死んでしまう
冗談じゃなくてそう思う

「あっあぁあっイぃ…イくっイくっ…ちと…っ」

「イってよかよ、」

キュウウと締め付けに従って中へ欲を吐き出す
ペニスを抜くとどろりと精液が溢れてまんこがひくひくとしていた
彼女はよっぽど疲れたのか寝てしまった
汗でベタベタの前髪をかき揚げてやり涙の跡を舐めたらちょっぴりしょっぱかった


『重い女やろ?』

いつだったか、こんな風なセックスをした後、彼女が自嘲的に呟いた
完璧な彼女をなし崩してこんな自分をボロボロにしてしまう女に仕立て上げてまで手放したくないと思う俺の方がよっぽど重いだろう
なんて、言わなかった
これは俺だけが知っていればいい
要は俺と彼女が離れなければいいのだ







(気を抜くと千歳が悪い男になる罠)