ユウはかわいい
そりゃあもうめちゃくちゃかわいい
なんなら捕まえて閉じ込めて誰の目にも触れさせたくないくらい
笑った顔も怒った顔も泣きそうな顔も
全部全部かわいい




キーンコーンカーンコーン

「あっ予鈴やっ昼休み終わってまう」

鐘の音にあわせてユウは勢いよく椅子から立ち上がった
チェック柄のクロスに包まれたお弁当箱を掴むと駆け出す

「じゃあ小春、また放課後なっ!!」

ヒラヒラと手を振って見送って次の授業の準備を始める

「一氏って結構かわいいよな」

ピク
ふいに後ろから聞こえた声に動きを止める

「確かに、ちょっと目つき悪いけど明るいし」

「ただ愛想ねぇんだよなぁ…」

お前らにユウのなにがわかんねんっ!!
ユウはただつり目なだけで本人も気にしてるんに
愛想やってないんやなくて人見知りなだけや
本当はすっごく優しくて器用さ生かしてお笑い小物とかだけやなくてお菓子とか作ってくれたりもするんやで
まぁお前らなんかに食わせてなんかやらんけどな

「まぁそれは慣れだろ。胸もあるし案外いい女だよなぁ」

「………おい」

思わず口をはさんでしもうた
しかもいつものお姉え声やなくて低っくい地声
やけどこいつらがそないな事ゆうとんのが悪いんや

「こ…金色?」

ゆったりと振り向いてニッコリ笑ったった

「ユウに手ぇだしたら殺すぞ」

あいつらが一瞬凍りついた気がしたが知った事じゃない
体を前に戻し授業の準備を再開する

早く放課後にならんやろか
いつも以上にユウに会うんが待ち遠しいわ







(一生懸命なユウが可愛いからあんまし言わんだけで本当はめっちゃ愛してんで)







一氏(♀)が大好きな小春が書きたかったのです
(旧拍手お礼)